リン脂質
今日の講義では前回説明しきれなかった細胞膜の構造についてより正確に説明していく。
先に前回の講義のおさらいだけしておこう。
お願いします!
前回の講義で細胞膜の主成分はリン脂質であることを説明した。
さらにリン脂質が細胞膜の特徴である親水性と疎水性を併せ持った脂質二重層という構造を作ってくれていることも説明した。
ここまでは大丈夫そうか?
は...はい!
少し怪しいが進めるぞ。
今日の講義はリン脂質の説明が中心じゃ。
リン脂質の構造を理解できて始めて細胞膜の構造が正しくわかるということじゃ。
学生時代のワシも理解するのに時間がかかった範囲じゃからの。心して聞くように。
よろしくお願いします!
リン脂質の構造
何度も言っているようにリン脂質は親水性と疎水性、両方の性質を併せ持っておる。
はい。
このような物質を両親媒性物質というのじゃ。
両親媒性物質...
身近な例でいうと洗剤と同じ性質じゃな。
それなら少しイメージできます。
よろしい。次にこの図を見るのじゃ。
これは何の図ですか?
これはリン脂質の上半分を切り取った図じゃな。
このように上側に親水性があり、下側に疎水性があるという構造をしている。
ここまでは理解できるか?
大丈夫です。
では次の説明をしていく。
ここまでの説明では脂質二重層の正確な構造を説明できていないのじゃ。
ほへ?
脂質二重層を図にするとこうなるのじゃ!
おお!なんかすごいです!
さっきの説明にあったリン脂質の下側(疎水性)が向き合ってる形をしているんですね。
その通りじゃ。ワシが学生時代はこの向き合っているという形がイメージしずらくての。理解できるまで苦戦したのじゃ。
でも、先生。ボクも完全には理解しきれてないです。
それならばこの図を見てみよ。
これは細胞膜を拡大した図じゃ。これだとイメージしやすくなるじゃろ?
わかりやすいです!さっきよりイメージできていると思います!
よろしい。ポイントは外側、内側ともに親水性の面が向いているということじゃな。
脂質二重層の構造はシンプル。
まとめ
前回の講義で親水性が外側に向いていることで細胞外液(内部環境)の変化に気付けるという説明をしたことは覚えておるかの?
は...はい!
しかし実際は先程説明した通り外側と内側、両方ともに親水性の面が向いておる。
つまり実際は細胞外液(内部環境)だけではなく、細胞外液と細胞内液、両方のセンサーを担っているというわけになるのじゃ。
本当にリン脂質は凄いですね。
そうじゃろ。
それではここから今日の講義のまとめに入る。
はい!
細胞膜の脂質二重層を作っているのはリン脂質じゃ。
そしてそのリン脂質は親水性と疎水性の両方の性質を持つ両親媒性物質と言われる物質じゃ。
細胞膜では親水性の部分を細胞の内側と外側、両方に向けておるのじゃ。
この構造のお陰で、細胞は細胞内外の水分の状態を正しく把握できるわけじゃな。
そして内側に疎水性があるお陰で、細胞外液という水分の中でも形を保って生活をすることができるのじゃ。
以上が脂質二重層、そしてリン脂質の説明じゃ。
今日の講義は情報量多めだったからの。しっかりと整理するんじゃぞ。
帰ったら復習します。
うむ。それでは今日の講義は以上とする。
ありがとうございました!
リン脂質の凄さを理解することができました!
それならばよかったぞい。
そういえば今日はいつもより画像が多めでしたね。
そうじゃろ。以前にワシが描いたものがたくさんあってな。
勿体無かったのでな。全部使うことにしたのじゃ。
わかりやすかったです。
それなら何よりじゃ。
最後に問題を解いておくのじゃぞ。
両親媒性物質
リン脂質
親水性